私たちは、光や音など、たくさんの刺激に囲まれながら生活しています。
そのたくさんの刺激が身体に加わっていることを感じるはたらきを感覚といいます。
人間の感覚には、既によく知られている五感(触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚)に加えて、固有受容覚(手足の状態・筋肉の伸び縮みや関節の動きを感じる感覚)、前庭覚(身体の動きや傾き、スピードを感じる感覚)といった合計7つの感覚があります。
感覚は人それぞれ、感じ方の強弱や程度に差があります。
例えば同じ温度の食べ物を食べても「とても熱い」と感じる人と、「全然熱くない」と感じる人がいるように、すべての感覚は一人ひとり感じ方が違ってきます。
これらの感覚は、生活していると、絶えずさまざまな感覚器官から入ってきます。
私たちの脳は、このたくさんの感覚をきちんと分類したり整理したりすることができ、これを統合といいます。
この統合という機能は言わば交通整理をしている警官のようなものです。
たくさんやってくる車を警官がきちんと整えることでスムーズに車が走ることができるように、身体に入ってくる感覚に対して統合機能が正しくはたらくことで、正しく感覚を整理し、取り入れることができます。
しかし交通整理ができていないと、車はどこを走っていいか分からなくなり、混乱し、渋滞してしまいます。
統合がうまくいかないと、次々にやってくる感覚の強弱を調整したり、感覚を受け入れる量を調節することがうまくできず、混乱してしまうという状態を引き起こしてしまうのです。
つまり、次々と身体に入ってこようとするこの7つの感覚を整理したり分類したりするのが感覚統合です。
このはたらきによって、その場その時に応じた感覚の調整や注意の向け方ができるようになり、自分の身体を把握する、道具を使いこなす、人とコミュニケーションをとるというような周囲の状況の把握とそれをふまえた行動ができるようになります。
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