「走る」と「歩く」の違いは?
「走る」と「歩く」の決定的な違いは、両脚が地面に付いている時間がない、つまり両脚支持期がないことです。
足が地面に接地してから、また同じ足が地面に着くまでのサイクルを「走行サイクル(走行周期)」といいます。
走行サイクルは足が地面に接地している立脚期と、地面に足が着いていない遊脚期に分けられます。
右足が地面に接地して、地面から離れるまでを右立脚期、右足が地面から離れて地面に着くまでを右遊脚期です。
そして、片足が地面に着いてから、もう片方の足が地面に着くまでに進んだ1歩の距離を「ストライド」と言い、単位時間あたりのストライド数を「ピッチ」と言います。
走る速さ、すなわち「疾走速度」はストライドとピッチの掛け算で求められるので、速く走るためには、ストライドを伸ばすか、ピッチを上げるか、もしくは両方上げるかが必要になるわけです。
足が速い選手は身長に対して大きなストライドで走り、高いピッチでも走っていることが分かります。
速く走るためには、ストライドもピッチも高めていくことが大切なのです。
また短距離走や中距離走の選手は、多量なスプリントトレーニングを積むとともに、ウエイトトレーニングなどの負荷を用いたトレーニング(レジスタンストレーニング)を行うなど、非常にハードなトレーニングに取り組んでいます。
これらのトレーニングを行う目的は、当然パフォーマンスを向上させるためです。
しかし、適切な強度や量でトレーニングを行わなければ、パフォーマンスは上がっていかないどころか、逆にパフォーマンスを下げてしまい、最悪の場合オーバートレーニングに陥ってしまう恐れさえあります。
ここで一番気になることといえば、「じゃあその適切な強度や量ってどれくらいなのよ?」ということでしょう。
結論から言うと、それは当然「個人で異なる」です。
しかしそれでは話が面白く無くなってしまいますし、そこから何も生まれません。
ということで、ここでは「個人の適切なトレーニング強度や量、さらには頻度」と、「オーバートレーニングを防ぐために必要な視点」について考えていきます。
スプリントパフォーマンスを高めるためには?
スプリントパフォーマンスを高める、すなわち高いスピードで走るためには、短い時間で力を発揮できたり、身体全体を素早く動かせるように力を発揮できることが重要です。
特に、下肢や上肢の動きを素早く切り返すためには筋肉が大きな力を発揮できることが重要で、関連する筋肉量が多いことはそのための基礎となります。
特に下肢の付け根にあたる股関節周りの筋肉(臀筋群、内転筋群、ハムストリングス、大腿四頭筋等)のサイズはスプリントパフォーマンスの高さに関係しており、これらの筋肉量の向上はトレーニング目標の一つになり得ます。
したがって、スプリントトレーニングやレジスタンストレーニングを行うことによって、筋肉量を増やしたり、発揮できる筋力を高めていくことは、スプリントパフォーマンスを高めるために重要であることが分かります。
(ここでいう「スプリントトレーニング」とは、最大、もしくは最大に近いようなスピードで走るトレーニングのことを指します)
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