神経システムについて理解する

感情(心理的問題)と筋緊張の関係は、Jandaが提唱しています。Fight or Flight Responseによって、身体が緊張状態(臨戦態勢)に入るように、感情の変化によって、筋の緊張状態は変化するということです。Jandaはこの感情に起因する筋過緊張を大脳辺縁系(Limbic System)を介する筋機能障害ととらえています。全身の筋が対象になりうるようですが、大脳辺縁系が司る、後頭下筋群、顎部、肩甲挙筋群、骨盤底、横隔膜が主に影響を受けるとされています



「不安な気持ち」などの感情の変化によって、ガンマ運動ニューロンの作用により筋紡錘が過敏になります。これにより筋に余分な緊張が起こります。また、筋紡錘が過敏になることにより、あまり力の要らない動作において余分な筋(本来力の要る動きや、早い動きの際のみ使われる筋群)が動きに関与してしまい、動きの滑らかさに影響が出るようです。緊張すると、手先の繊細な動きができなくなるのは、これが原因です。



これらの感情の変化に対する反応により、目的としている活動に不必要な筋活動が起きていると考えれば、筋肉痛が起こることの説明になるかもしれません。ちなみに対処法としては、局所的なストレッチやマッサージよりも、呼吸法などの全身の弛緩法、全身マッサージや心理カウンセリングが効果的です。これは、筋緊張が大脳辺縁系の影響による全体的なものであり、局所的なものでないからです。ちなみに局所的な問題の場合、過緊張している筋を弛緩して、活動の鈍くなっている比較的遅く、力の必要のない動きを司る筋活動を活性化することです。



Jandaによると、これらの過緊張がおきやすいのは、発達運動学的に古い屈曲筋群です(生まれたときは屈曲筋群が優位で、成長とともに伸展筋群が発達する)。このような原因で過緊張(過敏になっている)している筋は、ストレッチすると少々抵抗がありますが、伸張します。しかし、ストレッチをしても過緊張が緩むのはまれで、硬い感覚が残ることがよくあります。したがって弛緩法が有効です。局所的な例ですが、最も簡単な方法は、拮抗筋の収縮により主動筋を弛緩する。受動的には、筋を伸ばすのではなく起止と停止の距離を縮めて維持することによって、筋紡錘の緊張を緩める方法(Positional
Releaseはこれが基本的な原理です)があります。また、硬い動きをする方に有効なのは、解剖学的説明ではなく、Imageryを使って、動きを感覚的に表現して指導することです。



「拮抗筋の収縮による主動筋の弛緩」は、IsomでもIsotonicでもどちらでもOKです。局所的な対処に使います。「全身が力んでしまう」というのは、よくある問題です。「拮抗筋の収縮による主動筋の弛緩」に大きな力は必要ありません。このような大きな動きの必要ない運動で力んでしまうのは、まさに動きの種類(抵抗の大きさ、動きの速度)に適した筋が稼動していない例です。自重の遅い動きは最小限の努力感で行われるべきで、そうでない場合、その対処がなされるべきです。



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